4.1. OpenCLのインストール

OpenCLにはベンダーが提供する2つのソフトウェアが必要です。

このうちRuntimeライブラリは、SDKやフレームワークと呼ばれるものです。

デバイスドライバについては、各プラットフォームで事情が異なります。プラットフォームのサポートをベンダー別で以下にまとめました。

Apple
Mac OS Xに標準でインストールされています。(*開発環境としてXCodeはインストールしてください。)
Intel
Windowsでは無償で提供。過去Linuxでは有償のMedia Studioに附属(無償のBeignetもあります)していたが、2016年現在は第5〜6世代コアプロセッサのドライバは無償で提供している。
AMD
Windows/Linuxで無償提供。公式HPからダウンロードしてください。

この中でIntelのLinuxが有償な点は悪いニュースですが、無償でIntelデバイスのLinuxドライバを提供してる`Beignet`があります。また第5〜6世代CPUについては無償のデバイスドライバのダウンロードもできます。

Beignet(OSS)
Intelの技術者がオープンソースで開発したLinux-Intel無償ドライバ。

`Beignet`は2016年時点で以下のプロセッサをサポートしてるとのことです。

第3〜4世代のプロセッサで開発する場合にはBeignetを使えますが、バグがあるので公式ページでパッチを入手するようにしてください。

4.1.1. AMD Linux(Ubuntu)

Warning

参考までの掲載ですので未検証です。必ず「AMD APP SDK Installation Notes」(AMDのダウンロードサイトにあるAMD_APP_SDK_Installation_Notes.pdf)を確認するようにしてください。

  1. `root`権限のあるアカウントがあることを確認します。
  2. 過去にインストールした`APP SDK`を削除します。
  3. `AMD APP SDK`をダウンロードして、tarファイルを解凍します。
  4. `Install-AMD-APP.sh`スクリプトを実行します。
  5. `/opt/AMPAPP/`にバイナリがインストールされたことを確認します。
  6. `AMDAPPSDKROOT`と`LD_LIBRARY_PATH`が正しい値に設定されているか確認します。

SDKはダウンロードしなくてもapt-get経由でも入手できます。

sudo apt-get install amd-opencl-dev

4.1.2. NVIDIA Linux

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参考までの掲載ですので未検証です。NVIDIA公式サイトにある「OpenCL_Release_Notes.txt」等で確認してください。

`NVIDIA CUDA Toolkit`またはドライバを公式サイトからダウンロード、または下記のようにリポジトリからインストールする必要があります。

Redhat/Centos
rpmでリポジトリのメタデータを取得して、yum経由でインストールします。
$ sudo rpm --install cuda-repo-<distro>-<version>.<architecture>.rpm
$ sudo yum clean expire-cache
$ sudo yum install cuda
Ubuntu
リポジトリのメタデータを取得して、apt経由でインストールします。
$ sudo dpkg -i cuda-repo-<distro>_<version>_<architecture>.deb
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install cuda

4.1.3. Intel Linux(Ubuntu)

Warning

参考までの掲載ですので未検証です。必ず「Intel® SDK for OpenCL Applications 2016 release notes」で確認ください。

SDKについては「Intel® SDK for OpenCL™ Applications for Ubuntu」が用意されているので、インテル公式ページからダウンロードしてください。SDKには第5〜6世代のIntel Coreプロセッサと、Iris Pro、HD Graphicsのスタンドアローンドライバが含まれています。

ドライバについて以前IntelではMedia Server Studioという有償アプリケーションのライセンスを購入する必要がありましたが2016年現在では以下のドライバをダウンロードできるようになっています。

  • OpenCL™ 1.2 Driver for Intel® HD, Iris™, and Iris™ Pro Graphics for Linux* (64-bit)
  • OpenCL™ Driver for Intel® Iris™ and Intel® HD Graphics on Windows* (64-bit and 32-bit)

もちろんSDKをダウンロードするだけで構いませんが、AMDのSDKを使ってIntelのSDKは使いたくない場合にはドライバ単体でダウンロードもできます。

4.1.4. Intel Windows

Warning

参考までの掲載ですので未検証です。必ず「Intel® SDK for OpenCL Applications 2016 release notes」で確認ください。

  1. 管理権限を持つアカウント(Administrator)でログインします。
  2. 公式サイト(https://software.intel.com/en-us/intel-opencl)からSDKをダウンロードします。
  3. 過去にインストールしたSDKを削除します。
  4. パッケージを起動してインストーラーを実行します。

デフォルトのインストレーションフォルダは以下のようになります。

C:\Program Files (x86)\Intel\OpenCL SDK

4.1.5. AMD Linux(Windows)

Warning

参考までの掲載ですので未検証です。必ず「AMD APP SDK Installation Notes」(AMDのダウンロードサイトにあるAMD_APP_SDK_Installation_Notes.pdf)を確認するようにしてください。

  1. 管理権限のあるアカウントがあることを確認します。
  2. `APP SDK`をダウンロードしてインストーラーを起動します。カスタムではなく、エキスプレスインストールを選択します。
  3. `AMDAPPSDKROOT`と`AMDAPPSDKSAMPLESROOT`環境変数が設定されます。※カスタムインストールでは手動で設定する必要があります。

4.1.6. NVIDIA Windows

Warning

参考までの掲載ですので未検証です。

NVIDIAの公式サイトのウィザードから適切なGPUドライバまたはCUDA Toolkit 7.5`以降をダウンロードしてインストールしてください。インストール後には、`NVSDKCOMPUTE_ROOT が設定されているかを確認してください。

OpenCL-1.2のサポートは、`CUDA Toolkit 7.0`以前ではされていませんので、注意してください。

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