OpenCLを語る際にはGPUを引き合いに出すのが定番ですが、今後はFPGA(field-programmable gate array)も含める必要があるでしょう。
2015年にFPGA大手のAltera社をIntel社が2兆円の資金を投じて買収したことは記憶に新しいかと思います。IntelはXeonプロセッサとFPGAを統合することを宣言しており、FPGAを高く評価しています。
FPGAが単なる組込みプロセッサから、次世代並列プロセッサの中心として躍り出た背景には、Altera社がOpenCL SDKを開発したことにあります。
それまでFPGAは、VerilogやVHDLといった低位言語を使ってゲートアレイのプログラム・設定をする必要がありました。
Altera社のOpenCLのC言語のバインディングは、Verilog等による低位設計と最適化をOpenCLのバックグラウンドで行ない、C言語という上層の言語で並列処理が可能となりました。
FPGAについてはデバイスがないため本書で取り扱うことはできませんが、OpenCLを応用する現場の最前線がFPGAであることは頭の片隅においておくとよいでしょう。
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